スケアクロウ

今日の映画レビュー.comでは、『スケアクロウ』をご紹介します。

この映画は1970年代の、まだアル・パチーノが若く甘いマスクをしていたころの作品です。
ジャンルでいうと、ロードムービーなのですが、多くのロードムービーのように、旅の途中で得た経験を基に、その後の生活を始める、というようなテーマではなく、男の友情はもちろんですが、その気ままな旅路とは正反対の現実が待ち受けるというストーリーです。

映画自体は全体を通して、カラっとした湿気のない広い空、という感じ。南国のように、パーっとした明るさはないまでも、湿ったところのない、どこか自由を感じさせる、トーンの物語です、最後を除いては。

男二人の友情も、そのトーンそのままに、決して、いわゆる男の友情モノという熱いものではなく、ふてぶてしいながらも、コミカルな軽さがある。そして、けだるさが全体を通してあります。

とにかく、このラストが待ち受けていながら、全体をこうも、コミカルに、けだるく作っているのがすごい。ただ、この絶望的とも思えるラストを迎えて、初めて、ずっとコミカルを演じていたライオネルの心の中が、そのコミカルの中に抱えていた涙を、知るのだ。そして、その彼に思いを馳せる。

マックスとライオネルは、助け助けられながらの関係をいつの間に築いているのだが、最後は、マックスがどんなにライオネルに助けられていたのか、そしてそれを彼が感じていたのかがはっきり見てとれる。

悲しい悲しいラストではあるが、それでも、やはり、映画を通してカラっとしていたトーンに助けられて、見終わった後のこちらの心持ちも、まったくの暗闇にならずにすむ。
深いメッセージを、説教的ではなく、ストーリーとして魅せながら、サラっと、それでいて衝撃を与える、本当にすごい作品。

本日ご紹介させていただいた『スケアクロウ』ですが、特に『子供を持つ皆様』に是非お勧めしたい映画でした。

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